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沖縄への建築探訪

Posted on 2019-04-04

沖縄の建築を見たくて、スケジュールの合間をつかって足を運んだ建築探訪から早いもので3年経過しました。その時は、初の沖縄ということもあり、興奮して、いくつもの建築物を見て回りました。「名護市役所」「沖縄の民家」「中村家」「城跡」「識名園」「聖クララ修道院」。ただ、その時、行程としてどうしても行けなくて後悔したのが伊是名島にある「銘苅家」という国指定重要文化財です。あれからずっと見たかったのですが、ちょうど現場を離れられるタイミングがあり、3月末に沖縄建築探訪をしてきました。

2回目ということもあり、詰め込んだ工程でなく、じっくりゆっくり建築を見ることに時間がさける工程でした。今回のレポートは、一番の目的の「銘苅家」です。

お世話になった伊礼先生や堀部先生が講演会等で多く取り上げる銘苅家なので、楽しみで訪れたこともありますが、気づくと中まで足を運んで、母屋と家畜小屋の間で”ボーっと”としている自分がおりました。沖縄建築には、ヒンプンという魔除け壁があり、本島で訪れた中村家や古民家でも、ヒンプン前で、自然と足を止めるのですが、銘苅家にはその雰囲気を感じなかったのです。でもちゃんとヒンプンはあります。魔物は自然と家畜前に足を運んで、母屋に行く前に家畜に食べられてしまうのでしょうか?そんなことさえ感じる配置でした。離れは、一番、道路に近いのですが、一番奥にある上座のような配置にも感じました。伊是名島も本島と同様に、台風の影響を大きく受けるので、軒先が低くするように対応しているのですが、一番上の写真のように、軒先が低いことで家の佇まいが美しさが生まれておりました。このことにより、室内の生活感も道路側でも感じなく、縁側のような”アマハジ”という場に座っていることが本当に居心地がよかったです。約1時間滞在し、実寸を測りながらスケッチをし、周辺も散策してみました。この周辺には新しい家もありましたが、同じような佇まいとなっており、道も含めて美しい景観が維持されている素晴らしい場所でした。体感してよかったですし、周辺環境と合わせて体感すべき建築と思いました。
  <銘苅家正面。美しい佇まいです。>
<周辺の道の雰囲気。木と石積みの関係が良い感じです><アマハジ。居心地が良いです>

その場所が持つポテンシャルを最大限に活かして、風景の中で建築が美しく存在し、
時を超えても愛されるあり方でありながら、室内は、日々の暮らしの中で
自然の美しさや豊かさや快適さを感じることができることを理想としています。
そのため建築で使う材料は、時が経て味わいが増し、人の心を豊かにするような、
木や紙、土などの自然のものを使うこととしています。
また、この素材の魅力を最大限活かす職人の技術も大切にしています。
「アトリエ カムイ」とは、その場所が持つポテンシャルと建築をつくる素材や技術に
正面から向き合い、デザインしていくという意味を込めています。

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